決算報Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は大塚ホールディングスやエーザイなどの「製薬」業界5社について解説する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

製薬5社中4社が増収
唯一減収となったのは?

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「製薬」業界5社。対象期間は2024年10~12月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大塚ホールディングス(HD)
 増収率:11.2%(四半期の売上収益5998億円)
・エーザイ
 増収率:21.6%(四半期の売上収益2161億円)
・協和キリン
 増収率:マイナス2.5%(四半期の売上収益1328億円)
・塩野義製薬
 増収率:12.6%(四半期の売上収益1196億円)
・小野薬品工業
 増収率:2.3%(四半期の売上収益1342億円)

 今回分析対象とした製薬5社の中では、大塚HDとエーザイ、塩野義製薬、小野薬品工業の4社が前年同期比増収で、協和キリンのみが減収だった。

 次ページでは、24年12月期の決算を発表した協和キリンの業績について解説するとともに、各社の増収率の推移を見ていこう。