中東と欧州の当局者によると、イランはイスラエルとの紛争終結と自国の核開発プログラムを巡る交渉再開を急ぐ意向を、アラブの仲介役を通じて発信している。これら当局者によれば、イランはイスラエル軍の猛烈な空爆を浴びる中、米国がイスラエルの攻撃に加わらない限り、交渉の場に戻る用意があるとアラブ当局者に伝えた。さらに、紛争に歯止めをかけた方がイランとイスラエル双方のためになると、イスラエルに伝言した。ただ、戦況はイスラエルに有利で、同国指導部にはイランの核施設に一段の損害を与え、政権を弱体化させるまでは攻撃をやめる理由に乏しい。イラン側と協議したアラブ外交筋の話では、イラン政府は、イスラエルが泥沼の消耗戦に陥る事態は避けたい意向で、ゆくゆくは外交による解決を目指すとみている。イラン当局者は、イスラエルには明確な出口戦略がなく、イラン中部フォルドゥの地下ウラン濃縮施設といった標的に大きな打撃を及ぼすには米国の支援が必要だと考えている。