「筋トレ」「ジョギング」で、
老化を早める活性酸素が発生

「やせよう!」と決心した人がはじめがちなことのひとつが、ジョギングです。

 私は以前から、ジョギングをはじめとした運動でやせることはあまり推奨してきませんでした。運動で消費できるカロリーは思ったほど多くないからです。

 あくまで計算上の話ではありますが、たとえば体重50キロの人が時速8キロで30分走ると、約218kcal消費できることになります。これは、ごはんをお茶碗に1杯分のカロリーよりも少ないのです。

 とはいえ、若くて健康な人、あるいは体力のある人が毎日走るのは、若々しさを保つためにとても良いことです。

痩せても老けます…50歳からのダイエットで絶対にやってはいけないこと【医者が教える】とにかく、50代になったらジョギングも筋トレも、やりすぎには注意が必要(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 問題は、やせようと思うあまり、毎日過度に走ること。若いうちはいいのですが、ジョギングのような有酸素運動をやりすぎると、大量の活性酸素が発生してしまい、体を老けさせてしまいます。

 活性酸素は、酸素が体内で代謝される過程で発生し、細菌やウイルス、がん細胞などをやっつける役割も果たしていますが、多すぎると普通の細胞も攻撃し、体をサビさせ、老けさせてしまいます。

 有酸素運動をやりすぎると、体内で活性酸素が大量に発生してしまい、仮にやせたとしても、体中の細胞が老けてしまうことになりかねないのです。

 じゃあ、無酸素運動である「筋トレ」なら問題ないのでは? と思われるでしょう。しかし、こちらもやりすぎは禁物です。

 筋トレも、適度にやるぶんには健康のためにも見た目の若さを保つためにも非常に有効です。しかし、50代で毎日ストイックにやりすぎると、筋肉量が増えることで酸素の消費が増え、結局は有酸素運動のやりすぎで活性酸素が大量発生するのと同じ状況に陥ります。

 とにかく、50代になったらジョギングも筋トレも、やりすぎには注意が必要です。やればやるほど健康に良いわけでも、若々しさを保てるわけでもないのです。