「老化細胞」を増やさない
ダイエットのコツ

 人が老けてしまう理由はいろいろありますが、そのうちのひとつに「老化細胞」の問題があります。

 聞くだけで老け込んでしまいそうな名前ですが、これは、老化して分裂をやめた細胞のことです。普通、細胞が古くなって分裂しなくなると、自ら死んで壊れるか、免疫細胞に食べられて消えます。ところが、なぜか死なずに体内にたまっていくものがあり、これを老化細胞と呼ぶのです。

 その存在はかなり前から知られていたのですが、近年の研究で、老化細胞が私たちの老化を早めたり、慢性炎症を引き起こして動脈硬化やがんなどさまざまな病気を引き起こすことが明らかになってきました。

 老化細胞についてはまだわかっていないことが多いのですが、できるだけ老化細胞を増やさないために推奨されているのが、肥満を解消すること、そして、バラ肉やベーコン、揚げ物などの高脂肪食の摂取を減らすことです。

 高脂肪食を食べ続けて肥満になると、老化細胞が増え、肝臓がんや肺がんを発症しやすくなる可能性が指摘されています。

 また、高脂肪食を食べ続けると腸内細菌のバランスが乱れ、大腸がん、糖尿病、認知症、うつ病などを引き起こすとも考えられています。

 ですから、老化細胞を増やさないダイエットをするためには、まず第一に高脂肪食の量を減らすことが大切なのです。

 ところが、糖質制限ダイエットの誤った情報により、炭水化物を食べない代わりに脂っこいものを好きなだけ食べてやせようとする人が未だに少なくありません。これでは体内に老化細胞がどんどん増えてしまいます。自ら全身の老化を進め、さまざまな病気の要因を増やし続けているようなものです。

 50代からのダイエットでは、好きなものをある程度食べながらも、高脂肪食の摂取だけは少なめを心がける。これが、老けずにやせるコツなのです。