「余裕のある人」になるために、今日からできること
お金や地位があるから余裕があるのではなく、余裕のあるふるまいが結果的に信頼やチャンスを呼び込んでいるのかもしれません。
では、私たちはどうすれば“余裕ある人”に近づけるのでしょうか。特別なことではなく、日々の小さな意識がカギになります。
1.「相手の立場に立って考える」習慣を持つ
EQの高い人に共通するのは、「相手の立場で考える力」です。
たとえば、誰かと意見が対立したとき、「なぜこの人はそう感じるのか?」と一呼吸置いて考えてみる。そうすることで、感情的な言い合いを避け、冷静な対話につながります。
2.「ありがとう」を習慣にする
礼儀正しい人ほど、感謝の言葉をよく口にします。
エレベーターで開けるボタンを押してもらったとき、職場でちょっとした手助けを受けたとき――小さな「ありがとう」の積み重ねが、周囲との信頼関係を築き、自分自身のEQを育ててくれます。
「見られている意識」がマナーを育てる
成功者が礼儀正しいのは、「どんなときも見られている」という意識があるからかもしれません。
富裕層の人々が調査の場でも落ち着いた態度を崩さないのは、普段から“自分の振る舞いがちょっとした評価につながる”という感覚を持っているからかもしれません。
誰も見ていない場面こそ、自分の品格があらわれるといえるでしょう。
EQは「自分らしく生きる力」でもある
EQとは、他人に合わせる力のように思われがちですが、実は「自分を理解し、自分らしく生きる力」でもあります。自分の感情を客観的に見つめ、うまく扱えるようになると、ストレスや不安に振り回されることが減ります。
たとえば、ミスをしたときに「なんで自分はダメなんだ」と責めるのではなく、「今はつらいけど、誰でもそういう時はある」と受け止められるようになる。
そうした心の土台が、静かな落ち着きとなって外にもにじみ出ていくのです。
礼儀は“コストゼロの投資”
EQを高める、礼儀正しくふるまう――と聞くと、何か面倒な努力のように思うかもしれません。
しかし実際には、どれもお金も時間もかからないことばかり。むしろ、たったひと言の「ありがとう」や、相手を立てる一瞬の心配りが、人生の信頼残高をじわじわと増やしていきます。
いわば、礼儀やEQは「コストゼロの自己投資」です。
「余裕のある人」への第一歩は、今日の自分のふるまいから
富裕層のような“余裕あるふるまい”は、生まれ持った資質ではなく、日々の選択の積み重ねです。
誰かに腹が立ったとき、つい愚痴をこぼしたくなったとき、あえてひと呼吸おいて「どうふるまえば、自分らしくいられるか」と問い直してみる。
その小さな積み重ねが、気がつけばあなたを「礼儀正しく、信頼される人」へと導いてくれるはずです。
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。