経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
富裕層のリアルに
人生をよくするヒントがある
【前回】からの続き あの凄まじい反響を経験して感じたのは、世のなかの多くの人が富裕層の実態について興味をもっていること。そして、富裕層の行動様式には、人生をよくするヒントがたくさんあるということでした。
私は、そのYouTube動画に寄せられた数百件のコメントを読み、私が理解した富裕層の実像に間違いがなかったことを確信しました。そこで、いくつかのコメントを編集してご紹介します。
◉ 医師として開業していますが、乗っている車は傷だらけの軽自動車1台だけです。
◉ この動画でいうところの“お金持ち”に属する人間ですが、おおむね当たっていると思います。生活は人並よりも質素だと思いますが、必要性を感じないだけでけっして無理してケチっているわけではないです。
◉ 叔母は裸一貫から1代で巨刹(きょさつ=大きな寺)を建立した僧侶でしたが、その生活はやはりティッシュ1枚の使い方に至るまで質素なものでした。
◉ 夫の実家が相続の際、資産が10億円ほどありましたが、生活の足はほとんど軽自動車を使っていましたし、外食もなるべく控えていました。
◉ 私が勤める社長部屋を覗いたら、社長が愛妻弁当(?)を食べていました。会社の年商からは想像できませんでした。
◉ 金融資産100億円以上の超富裕層を担当していた元プライベートバンカーですが、まったく同意します。つけ加えるとしたら「無駄な見栄は張らない」ということでしょうか。高級車やハイジュエリーなどの贅沢(ぜいたく)に一喜一憂しているのは、背伸びをした小金持ちさんたちでした。
◉ 資産数億円から数十億円の知り合いが何人かおり、資産価値のあるところに住んでいますが、驚くほど質素な生活です。ブランド品もほとんど買わない。「なんでも買えるけど買う価値を感じない」と。面白いことに、みんな「死に金は1円でも使うのが嫌」といいます。コーヒー1杯分でさえも。「生き金」というのは、投資や良好な人間関係のなかで使うお金なのだそうです。
本書でこれから紹介する富裕層の実態は、このように実際の富裕層や富裕層を目のあたりにした人も納得することのようです。富裕層の習慣は、誰でもとり入れられるものです。これは将来に対する不安が高まっている時代に生きる私たちにとって、とても力になることだと思います。【次回に続く】
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。