1000人以上の取材で身につけた「使えるメモ」のとりかた
20万部のベストセラー、200冊の書籍を手がけてきた編集者・庄子錬氏。NewsPicks、noteで大バズりした「感じのいい人」の文章術を書き下ろした書籍『なぜ、あの人の文章は感じがいいのか?』(ダイヤモンド社)を上梓しました。
実は、周囲から「仕事ができる」「印象がいい」「信頼できる」と思われている人の文章には、ある共通点があります。本書では、1000人の調査と著者の10年以上にわたる編集経験から、「いまの時代に求められる、どんなシーンでも感じよく伝わる書き方」をわかりやすくお伝えしています。

二流の人は「とにかくメモする」、では一流の人どうやってメモを取る?Photo: Adobe Stock

だれでも「使えるメモ」をとれる4つのコツ

会議、商談、セミナー、研修、勉強会、タスク整理……仕事をしていると、メモをとるシーンは幾度となくあります。

そこで今回は、これまで編集者として1000人以上に取材をするなかで身につけた「使えるメモのとり方」を紹介します。

1. 「メモのメモ」を用意しておく

思いつくままにメモしていると、あとから見返したときに「なんでこれをメモしたんだろう?」「どういう文脈で出てきた話だっけ?」となりがちです。

会議や商談など「メモをとる可能性が高い場面」では、事前に「メモのメモ」を用意しておく。

これだけで「使えるメモ」を効率的に残せます。

「メモのメモ」といっても、簡単なものでOKです。
ぼくの場合、以下のようなことを書いています。

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・上部に「日付、相手」を書く
「議題」「確認ポイント」「締め切り」「次回アクション」などの見出しを書く
・その見出し内で埋められる部分は埋めておく(事前情報や前回の会議内容など)
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「メモのメモ」をあらかじめ作っておくことで、議論したいポイントが可視化されるので、抜け漏れが出にくくなります。

また整理されたメモが簡単に作れて、読み返したときもすぐに理解しやすくなります。

2. その場で「調べる・解決する」

情報の取捨選択ができず、とにかく全部書き留めた。結果、ぐちゃぐちゃのメモができあがる――。

こういう人は、その場で調べたり解決したりして必要な情報を絞る、つまり「できるだけメモをとらない」ようにしてみるのはどうでしょうか。

たとえば、会議中に見知らぬ情報が出てきたとき、その場で簡単なリサーチする、もしくは直接聞いてみる。とくに初めて耳にする言葉だと、聞き間違いをしたまま覚えてしまい、後から調べるのに苦労したり、間違って使って恥をかいたりすることも(ぼくも経験あります)。

取材をしていると、そもそも相手の情報が間違っていることも結構あります。その場で調べて「これですね」と確認しながら進めたほうが、余計なメモが減りますし、その後のやりとりもなくなるのでおすすめです。

3. 視覚的にわかりやすく

とくに重要な内容は、色をつけたり太字にしたりする。
これは実践している人も多いと思います。

ぼくはパソコン派なので、重要度の高い内容は太字に、確認事項や決定事項は赤字にしています。あとは箇条書きや番号付きリストで情報をポイントごとに整理し、視覚的に理解しやすい形でまとめることもあります。

絵を描くのが得意な人なら、イラストをつけるのもいいでしょう。絵が苦手でも、簡単なマークや絵文字をつけておくだけで、情報に「エピソード」を付与することができて、記憶に定着しやすくなります。

4. すぐに整理する

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが「忘却曲線」で示しているように、人間はすぐに忘れる生き物です。

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・ 学習後の約20分で、約42%の情報を忘れる
・ 1時間後には約56%忘れる
・ 1日後には約66%忘れる
・ 1ヵ月後には約75~80%忘れる
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メモは、できるだけ早く整理する。後回ししない。

面倒かもしれませんが、これが結果的に時間効率をよくする方法です。
整理するときは、パラグラフごとにまとめる、日本語として整える、順序を入れ替えるなどをして、自分が見やすい形にまとめるのがいいでしょう。

加えて、「感情の振り返り」も重要だと思います。

ぼくの場合、取材時には感情が昂って「おもしろい!」と思っていても、あとからメモを見返して「そこまでじゃないな」と気づいたり、逆に「こっちのほうが読者に刺さるな」と思ったりすることもしばしばあります。

とくに何かしらのアウトプットのためにメモをしている人は、感情の振り返りをしておくことで、「受け手の心の動き」を予測する際のヒントにもなるはずです。

庄子 錬(しょうじ・れん)
1988年東京都生まれ。編集者。経営者専門の出版プロデューサー。株式会社エニーソウル代表取締役。手がけた本は200冊以上、『バナナの魅力を100文字で伝えてください』(22万部)など10万部以上のベストセラーを多数担当。編集プロダクションでのギャル誌編集からキャリアをスタート。その後、出版社2社で書籍編集に従事したのち、PwC Japan合同会社に転じてコンテンツマーケティングを担当。2024年に独立。NewsPicksとnoteで文章術をテーマに発信し、NewsPicksでは「2024年、読者から最も支持を集めたトピックス記事」第1位、noteでは「今年、編集部で話題になった記事10選」に選ばれた。企業向けのライティング・編集研修も手がける。趣味はジャズ・ブルーズギター、海外旅行(40カ国)、バスケットボール観戦。

※この連載では、『なぜ、あの人の文章は感じがいいのか?』庄子錬(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集して掲載します。