「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

職場で「果敢に挑戦する人」は出世しない。出世する人はどうしている?Photo: Adobe Stock

失敗を恐れない社員は出世しない

みなさんの職場は、「挑戦」が歓迎される職場ですか。どちらの職場もあると思いますが、チャレンジを後押ししてくれる職場だと、風通しもよくなるなど、活性化するような印象はありますよね。

しかしこの、「失敗を恐れずに、挑戦を歓迎する」と言う言葉を、額面通りに受け取ってしまう社員は残念ながら出世しません。実際に出世する社員は「失敗を恐れる人」です。今回は、その理由と実際にどのように会社で立ち回れば良いのかを解説します。

上司は「失敗」を評価できない

ここで、あなたが上司だとします。Aさん、Bさん、Cさんの3人の部下が、それぞれ次のようなチャレンジをしたとき、どのように評価するでしょうか。

・Aさん:果敢な挑戦をした結果、会社に「大きな損失」をもたらした
・Bさん:失敗を恐れて「挑戦はしなかった」けどしっかりと実績をあげた

この2人だと、Bさんですよね。Aさんを評価したくなる気持ちはあっても、会社としては評価はまだできない状態です。

ではここで、次のCさんがいたらどうでしょうか。

・Cさん:小さな挑戦を手堅くして実績をあげた

こうすると、最も高い評価を与えられるのはCさんですよね。挑戦もして、実績もあるのですから。

ここでみなさんにお伝えしたいのは、「BさんとCさんは、実際にはほとんど上げている成果は変わらない」ということです。つまり、Bさんが例えば少しでも挑戦しているように上司にアピールをすることができれば、Cさんと同じ見え方になると思いませんか。

挑戦をしているように“見せる”だけでいい

実際に挑戦をしているかどうかなんてものは見せ方だけでどうにでもなります。大した仕事でなくても、大変そうに取り組んでいれば周りからは難易度が高い仕事に挑戦しているように映るものです。

もしあなたが会社の言葉を額面通りに受け止めて仕事において失敗を恐れずに果敢にチャレンジしているのであれば、それは十分に注意しましょう。

少しだけでも良いので失敗を恐れる癖をつけてください。そのうえで、「自分の仕事を、どう“挑戦している”ように見せるか」を計算してみてください。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)