一方、歌舞伎町のホストクラブも代替わりが進み、新規参入が増えてきました。その結果、モラルが低いホストクラブ経営者やホストが入ってきてしまったと言います。

 昔からいる業界人は経験値からトクリュウの危なさを感じ、避けています。ところが、新規参入側はトクリュウの中核世代と同世代同士という点もあり、結びついてしまった。そこでスカウトや売掛の回収を依頼する流れができました。

 こうした経緯からすると、歌舞伎町のホストクラブがトクリュウとの関係を断ち切るのには、まだ一定の時間がかかりそうです。

――確かに私が取材をしてきた歌舞伎町の悪質ホスト問題でも、女性を搾取しているのは若いホストばかりです。

 今、そうした若いホストの間では違法薬物の蔓延が問題となっています。歌舞伎町では過去一番、ドラッグが広がっていると指摘されています。覚せい剤というよりも、大麻とかオーバードーズできるクスリなどです。

 オーバードーズは、歌舞伎町にたむろするトー横キッズだけの問題ではありません。社会全体へ波及させないためにも、警察には継続的に危機感を持ってもらい、しっかりした対応が続くことを期待します。

――悪質ホストの被害者を支援する複数の団体からも、同じように歌舞伎町のホスト業界とクスリの関係を聞きます。

 歌舞伎町のホストクラブ業界は、ちゃんとしようとする人たちとそうでない人に分かれていて、まとまれていません。

 新型コロナウイルスが流行した期間に、すごい多額のお金が流れてきたことが背景にあります。それで業界の一部がおかしくなってしまったと聞きます。

SNS上の悪質インフルエンサーが拡散
若者が一生を棒に振る「ワンチャン文化」とは?

――歌舞伎町を離れても、トクリュウの話題には事欠きません。投資家としてSNSで派手な生活を投稿してたリフォーム会社社長が逮捕され、トクリュウの「トップ」だったとみられるとの報道が出たこともありました。

 報道では何をもって、トクリュウの「トップ」であるとしているのでしょうか。警察でも全組織は把握できてないので、簡単には全トクリュウのトップだと定義できないはずです。多くは、1つのプロジェクトチームのある程度上の立場を取ってリーダーとしているのではないでしょうか。