「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

職場に「ストレスがない人」は出世しない。その意外な理由Photo: Adobe Stock

「ストレスのない人」は出世しない

みなさんの職場には、どんなストレスがあると思いますか。多くの人が何かしらのストレスを抱えながら働いているとは思いますが、「ストレスがなかったらいいのに」と思う人は、正直たくさんいるのではないでしょうか。

しかし、実は「ストレスのない人」は出世しません。意外に思うかもしれませんが、今回はその理由について紹介していきましょう。

「期待されている」からストレスがかかる

では、あなたにとって仕事のストレスがない状況を考えてみてください。毎日仕事の締切もなく、上司や同僚、取引先からも怒られることがない、そんな世界だとしたらストレスがないかもしれません。

それだけ聞くと天国のように感じるかもしれませんが、実際は地獄です。なぜなら「誰からも怒られない」ということは、「誰からも期待をされていない」ことと同じだからです。

怒られるのは、「その人に対して一定の期待があり、そのうえで、その期待を下回ってしまったとき」に起こる事象です。

したがって、仕事のストレスが全くないというのはあまりいい状況ではなく、適度に誰かから期待されながら仕事するほうが、仕事においてはチャンスにつながる可能性が高いのです。

出世する人は「自分にうまい締切を作る」

では、出世するサラリーマンがどのようにしているかについて考えていきましょう。

出世する人は、自分で適切なハードルを設定しています。ここで重要なことは、自分の実力を正しく認識しておくことです。

自分の実力が正確に把握できていると、上司から仕事を依頼された時に、自分の中で適切な締切や成果物のクオリティを思い描くことができます。

出世するサラリーマンはこの締切の設定が秀逸です。ここで、「自分にとってやや無理をしないと達成できない締切」を設定しておくのです。

たとえば、依頼された時に「明後日の朝イチで提出できると思いますがよろしいでしょうか」と返すときに、少しだけ自分にうまく負荷をかけているようなイメージです。

仕事の難易度を自分で調整しよう

テレビゲームでも難易度の設定をすることができますよね。あれと似ています。

出世するサラリーマンはこの自分に合った難易度の設定がとてつもなく上手いのです。

もし、あなたが今仕事で全くストレスを感じていないとしたら、少しだけ難易度を高めて仕事をすることを心がけてください。そうすることで、適切なストレスの感じ方を調節できるようになるだけでなく、上司からの評価が今よりも少しずつ高くなっていきます。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)