ただでさえメールでのやり取りが増え、職場で電話で話す機会が減っています。とくに若い世代は固定電話を使う経験も少なく、友だちと長電話をして親に怒られた経験や、人前でオフィシャルな電話をかけることもほとんどないでしょう。

 日本人は「人に迷惑をかけない」ことが重要視されがちです。同調圧力にも弱いものです。それが時として、人の目を気にすることにもつながっていきます。

 人と違った行動をして目立つのを嫌うのが、若い世代特有の傾向です。とくにまじめで先生や親の言うことをよく聞いてきた人や、完璧主義な人ほど、そういう傾向になりやすいようです。

 もちろん、人の目を気にすることが一概に悪いわけではありません。人を気遣えたり、調和を大切にできたりする面もあるため、職場でその良い面が活かされればいいでしょう。

 ただ、人からどう思われるか気にしすぎて自分らしく振る舞えないと、常にストレスがかかることでしょう。職場以外の場所で自分らしく振る舞える場所があれば少しは解放できるのではないか、と思います。

若手社員が、メールも苦手な理由「上司が冷たい」

 一方で、若い世代はメールやチャットツールにはとても慣れています。ですが、それを職場でうまく使いこなせているかどうかとなると、話は別です。

 実は、どちらかと言うと上司や先輩の立場の方にも、メールの使い方には注意してほしいところがあります。

 というのも、私がよく若い社員から相談を受けるのが、「上司のメールが冷たい」「怒っているのではないか」というものだからです。

 仕事ができるタイプの人ほど、メールは短く、わかりやすいものです。仕事をする上ではとてもやりやすいのですが、ともするとこれが、冷たさを感じさせてしまうようです。難しいですね。

 社内メールだとつい、要件だけを伝えてしまったり、「了解」と返信するだけだったりします。余計な話をダラダラ書いたり、丁寧に書きすぎたりするのも考えものですが、受け取る側によっては、萎縮してしまうこともあるのです。