メール人格というものがあります。メールが、よく言えば簡潔で、悪く言えば冷たく感じた人が、実際に会ってみたら優しい人だった、ということはよくあります。文字というのは難しいもので、同じ内容でも口頭で話すとやわらかみがあるものでも、文字にしてしまうときつく感じたり、冷たく感じたりしてしまうものなのです。

 その人との関係性や親密度にもよりますが、人となりをよく知らないでメールだけ見て人格を決めつけてしまうのは、少しかわいそうな気がします。一方で、誤解されないような書き方をするのも大切です。一言、挨拶を入れる、ねぎらいや感謝の言葉を入れるだけでも、受け取り方はまったく違ってくるでしょう。

 メール以上に、チャットツールは要注意です。たとえばチャットワークやメッセンジャー、スラックなどは、リアルタイムでコミュニケーションできるので非常に便利ですが、瞬時に端的な文章で返信することが多いため、気を遣えないこともあります。

 そもそも、このようなツールで長々と定型文を書く必要もないのですが、その加減が難しいのです。

 具体的なアドバイスとして、若い方から実際に言われたのは、その日、いちばん最初にやりとりするメッセージなら、「おはよう」の一言があると安心するということでした。いきなり上司から挨拶もなく「○○の件、どうなってる?」とメッセージが来ると、ドキドキするようです。

 そして最後、話が集結したときには「お疲れさま」の一言を。社会人が対面で当たり前にしているようなことを、サラッとできればベストです。