「あの人、会話が噛み合わない…」“話しづらい人”に共通する1つの特徴。その正体

2025年6月26日 7:35

「『なぜ、そう思うの？』は、絶対にNGです」
「なぜなぜ分析」をはじめに「なぜ？」という問いは“論理的に考える”ための「良い質問」だと考えられている。しかし実は「なぜ？」「どうして？」は、致命的な「解釈のズレ」を生み、噛み合わない会話＝「空中戦」を作り出してしまう元凶、「最悪の質問」なのだ。
「事実と解釈の違い。これに気づけていない人は、まだ確実に“曇りガラス”の中にいます」――。話題の新刊『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』では、世界・国内の各地で実践・観察を積み重ねてきた著者による「賢い質問の方法」＝事実質問術を紹介している。本書に掲載された衝撃の新事実の中から、今回は「ありがちなNG質問」について紹介する。（構成／ダイヤモンド社・榛村光哲）

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「会話が噛み合わない」の正体

みなさんの周りには、「なぜか話が噛み合わない」人がいるでしょうか。

頭が悪いわけでもないし、特に性格が合わないというわけでもないけれど、どうしてもコミュニケーションがうまくいかない、という人はいるかもしれませんね。

実はその正体は、気づかないうちの「コミュニケーションのズレ」にあるかもしれません。今回はその話をしていきたいと思います。

「ズレ」は気づかないうちに起きる

たとえば、次のような会話を見てみてください。

上司「悩み事があったら、いつも誰に相談していますか？」
部下「指導担当のA先輩に相談しています」
上司「そうですか。A先輩はよく、指導をしてくれていますか？」
部下「はい」
上司「そうですか。これからもよく学んでください」

いかがでしょうか。当たり障りのない、1on1に見えますよね。

しかし実はこの会話ですでに、「コミュニケーションのズレ」が起きていることに、お気づきでしょうか。

浮かび上がる「事実」の正体

先ほどの会話を、本書で紹介している「事実質問」に沿った形に変えてみましょう。

上司「直近、誰かに相談をしたのはいつですか？」
部下「今日のお昼前くらいです」
上司「そうですか。誰に相談しましたか？」
部下「隣の部署のBさんです」
上司「その前はいつか、覚えていますか？」
部下「ええと、昨日の夜にCさんに相談した気がします」

先ほどとは全く違う景色が見えてきたことにお気づきでしょうか。

先ほどの1on1では「いつもAさんに相談している」という話でしたが、実際に事実に絞って聞いてみると、「Bさん」や「Cさん」の存在が浮かんできましたね。気づかないうちに、「コミュニケーションのズレ」が起きていたのです。

コミュニケーションの第一歩は「良い質問」

ただ、部下も別に嘘をついたというわけではないでしょう。部下自身も「自分はいつもAさんに相談している」と思い込んでいた可能性もありますし、「指導担当のAさんを立てないと」と考えていたことも考えられますね。

いずれにしても重要なのは、コミュニケーションのズレは、「会話自体は成立している」ように見えるときにも、起き得るということです。これに自覚的であるか、そうでないかは、大きな差になります。

対話は、どちらかが質問し、相手がそれに答えることから始まります。よい人間関係の基本には、よいコミュニケーションがあり、よいコミュニケーションの出発点には、良い質問があるのです。

（本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』に関する書き下ろしです）

「会話が噛み合わない」の正体

「ズレ」は気づかないうちに起きる

浮かび上がる「事実」の正体

コミュニケーションの第一歩は「良い質問」

本書の内容