
名台詞をイケボで語る
上司・東海林(津田健次郎)
主題歌明け。焼け跡に取材に行くと社会部が進駐軍に取材をしていた。でも相手にされていない。進駐軍はのぶに興味を持って近づいてくる。女性記者が珍しいのだ(日本ではってことだと思うが)。
ここでのぶが積極的に取材できたら社会部記者を驚かせることができただろう。でものぶが怯んでいる間に社会部記者が割り込んできて、進駐軍はそのまま去ってしまう。そして、社会部記者たちは東海林とのぶを小馬鹿にしたような振る舞いをする。
東海林がのぶを誘っておきながら採用する権限はないと引き気味だったのも、新聞社のなかで彼の部署は花形ではないということなのがわかる。
それにしても「女はええにゃあ。笑いよったらえいがやもん」とはいまだったらハラスメントである。
東海林はのぶに「いっぺん聞いた情報はいっぺんで頭に叩き込め。記者の鉄則や」「現場へ行け。足で稼げ。目と耳で感じろ。そこに答えがある」などと記者の精神を語る。さすが声優。名台詞をイケボで語り、内容が十倍増しに聞こえる。
のぶは津田に言われてひとりで闇市に取材に行き、焼け跡で出会った大阪空襲で家を失って高知に流れてきた少年・幸男(阿久津将真)の記事を書くが、孤児なんて日本中に溢れていると東海林にダメ出しされる。
「明日もがんばります」と次郎の遺影に話しかけるのぶ。「現場へ行け。足で稼げ。目と耳で感じろ。そこに答えがある」は亡き夫・次郎(中島歩)の「自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで」とほぼ同じである。
次郎は速記や写真に興味があって、父にはスパイにでもなるのかと言われたらしいが、ジャーナリストになりたかったのかもしれない。次郎は親の決めた仕事(船)の犠牲になった人だったのかもしれない。だからのぶに夢を託したのかも。
「どうやって読者の興味を引く記事を書くがて」と言われたのぶは再び現場に戻ると、少年が盗みを働いた店で働いているところに遭遇する。持ってるのぶ。それを書いたら「長すぎる」とまたダメ出し。徹夜で書いたら「温度のある記事や」と採用になった。
2回の直しで初採用。これはのぶが優秀なのか、東海林が甘いのか。
琴子が「すごいです」とのぶを褒め、飲みに誘う。