「猫かぶっちゅうと疲れるわー」“猫の手記者”のぶ×猫かぶり女子×イケボ上司!昭和新聞社、ここから始まる新しいお仕事編【あんぱん第66回レビュー】『あんぱん』第66回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第66回(2025年6月30日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

“猫の手”として働く
のぶのお仕事ドラマがスタート

 昭和21年1月。のぶ(今田美桜)は高知新報に入社し、戦後初めての女性記者として働き始めた。モンペの名残のようなパンツスタイル。

 女性記者はのぶのほかにもうひとり・小田琴子(鳴海唯)がいた。すらすらと当たり障りのない挨拶する琴子に対して、のぶはあがってうまく話せない。先が思いやられる幕開けだ。

「猫の手も借りたい」と主任・東海林(津田健次郎)に言われて入社したのぶは遊軍記者になった。遊軍記者とは、政治部、社会部などの専門性ではなく、手の足りない部署の手伝いでなんでもやる記者。

 まさに「猫の手」だ。

 さっそく現場に駆り出されるのぶ。ここから主題歌が流れる。主題歌「賜物」がやっと似合ってきた感じがする。つまり、第14週「幸福よ、どこにいる」(演出:橋爪紳一朗)からは現代のお仕事ドラマのノリに近づいたのだろう。