製薬写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は大塚ホールディングスやエーザイなどの「製薬」業界5社について見ていこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

大塚HD、塩野義製薬は前年同期比増収
エーザイ、協和キリン、小野薬品工業は減収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「製薬」業界5社。対象期間は2025年1~3月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・大塚ホールディングス(HD)
 増収率:12.2%(四半期の売上収益5828億円)

・エーザイ
 増収率:マイナス1.2%(四半期の売上収益1882億円)

・協和キリン
 増収率:マイナス0.8%(四半期の売上収益1047億円)

・塩野義製薬
 増収率:6.5%(四半期の売上収益1047億円)

・小野薬品工業
 増収率:マイナス0.4%(四半期の売上収益1123億円)

 今回分析対象とした製薬5社の中では、大塚HDと塩野義製薬が前年同期比で増収。エーザイ、協和キリン、小野薬品工業が減収だった。

 エーザイ、塩野義製薬、小野薬品工業においては、今回対象となった25年1~3月期が25年3月期の第4四半期にあたる。3社の24年度(25年3月期)通期の業績はどうだったのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移とともに詳細を見ていこう。