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AI向けデータセンターへの投資が半導体市場を押し上げている。東京エレクトロンはメモリーと先端ロジック半導体向け製造装置が伸び、2026年4~6月期に大幅増益を確保。ルネサスエレクトロニクスも車載・データセンター向けの回復で黒字転換したが、事業売却や老朽工場の閉鎖を進める再編途上にある。こうした2社の中で世代間の「年収格差」はどうなっているのか。特集『5世代格差の残酷!主要100社26年版「20年間年収推移」氷河期、バブル…どの世代が損をした?』(全39回)の#36では、過去20年間の推移を10年刻みにして、5世代別の平均年収と主要100社内ランクを独自に試算した。その結果、東京エレクトロンはシニア、ルネサスはOB世代が勝ち組となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
AI特需の恩恵でも立ち位置は対照的
東エレクは装置拡大、ルネサスは再編途上
東京エレクトロンとルネサスエレクトロニクスは、同じ半導体業界に属するが、事業の立ち位置はまるで違う。東京エレクトロンは半導体を製造する装置を供給し、ルネサスは車載・産業機器向けのマイコンやアナログ半導体、パワー半導体などを手掛ける。AIデータセンターへの投資拡大は双方に追い風となっているが、その恩恵の取り込み方と抱える経営課題は対照的だ。
東京エレクトロンはAI特需を正面から取り込んでいる。2026年4~6月期の売上高は前年同期比33.3%増の7323億円、純利益は39.5%増の1643億円となった。データセンター向けAIサーバーの需要拡大を背景に、メモリーや先端ロジック半導体向けの装置が大きく伸びた。韓国や台湾の半導体大手による増産投資を受け、26年4~9月期の純利益予想を3490億円へ上方修正し、半期として過去最高を見込む。一方、中国では現地の製造装置メーカーが台頭しており、AI投資が一服すれば需要が下振れるリスクも残る。
ルネサスは、足元で急回復しているものの、その前段では大きな痛手を被った。25年12月期は、パワー半導体で協業していた米ウルフスピードの経営破綻に伴う巨額損失が響き、純損益が517億円の赤字に転落した。しかし、26年1~6月期は車載やデータセンター向けの需要が持ち直し、売上収益は前年同期比25.9%増の7987億円、純損益は2173億円の黒字へV字回復を果たした。
ルネサスは、事業の選別を加速させている。電子回路を正常に動作させるための「タイミング部品」事業を米サイタイムに売却し、資金をAI関連や中核のマイコン事業などへ振り向ける。さらに、生産設備の老朽化が進む高崎工場について、2~3年後をめどに閉鎖する方針を決めた。成長領域への集中と非効率な資産の整理を同時に進める局面にある。
東京エレクトロンは「AI向け製造装置の需要拡大」、ルネサスは「車載の回復と事業ポートフォリオの再構築」で成長を目指している。もっとも、足元の業績や事業環境がどうであれ、社員の処遇が世代横並びで改善するとは限らない。むしろ「どの局面で会社にいたか」「どの賃金カーブ・評価制度に乗ったか」によって、同じ会社の中でも「得をした世代」と「割を食った世代」が生まれる。
今回は東京エレクトロン、ルネサスを取り上げる。2社の中で、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたのか。ダイヤモンド編集部は、過去20年間を10年刻みにして、「5世代の年収」と「主要100社内ランク」の推移を独自に試算した。
対象としたのは、2000年代から現在までの、20~50代の現役世代から、60~70代のOB世代まで。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収序列は高かったのか」。これらを徹底検証し、47項目のデータとして残酷なまでの格差をあぶり出した。
試算の結果、東京エレクトロンではシニア社員が勝ち組となる一方、OB世代が割を食った。ルネサスでは逆にOB世代が優位となり、現役のシニア社員が劣勢だった。同じ半導体業界でも、報われる世代は正反対に分かれた。次ページでその詳細を確認しよう。







