大物芸能人インタビューのゾッとする光景

中居正広、国分太一、田原俊彦…不祥事を起こす「ジャニーズおじさん」のたった1つの共通点国分太一の不祥事を報じるスポーツ紙 Photo:Diamond

 まず1つ目は「自分は特別」という勘違いだ。

 令和の今、地位や実績はかつてほどの頑強さを持たない。大物芸能人だろうが社長であろうが、セクハラ、パワハラ一発で一気に窮地へと追い込まれる。一般社会においては常識化しつつあるルールだが、芸能界という特殊な世界、とりわけ大物とされる芸能人ではこのルール変更に気づかないケースがある。

 ある大物芸能人をインタビューした際、取材中も周囲のスタッフたちが、その芸能人のひと言ひと言に大袈裟に相槌を打ったり、大きな愛想笑いを上げたりと、絵に描いた太鼓持ちぶりを見せていて、背筋が寒くなったことがある。

 これは昔話でなくほんの1〜2年前の出来事だ。大物芸能人はこうした環境に何十年と浸かっており、よほど自分に厳しくない限り、「自分は特別」「自分だけは大丈夫」と勘違いしてしまうだろう。

 まして彼ら3人が所属していたのはジャニーズ事務所である。創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題ですら、大手メディアは見て見ぬふりをし、問題を報じてこなかった。それほど業界で影響力の強い事務所にいれば、勘違いにも拍車がかかるというものだ。

 芸能人とビジネスマンは違うと考えるかもしれないが、一般人であっても「一流企業で働いているから」「地位を手に入れた」からとどこか勘違いして、横柄になる人はいる。

 そしてもう1つの勘違いは「立場の弱い人たちの扱い」だ。

 旧ジャニーズタレントといえば、女性ファンに圧倒的な支持を集めてきた。ジャニーズファンはあらゆるところに存在し、ジャニーズタレントに近づくためにアイドルになる人間さえいる。若い頃から女性が近づいてくる状況で、ぞんざいな態度で接するケースも多かっただろう。

 また芸能界、特にジャニーズ事務所は先輩・後輩の関係が強い体育会系型のタテ社会だ。芸能人やテレビ局では長年にわたって、目上の人は偉く、立場が下の人間を雑に扱ってもいいという「常識」が根付いていた。一方で立場の低い人たちは、上の人間の理不尽さに我慢を強いられていた。

 ただ時代は変わった。セクハラ、パワハラをした人間と見られることは社会における“死刑宣告”となった。セクハラやパワハラは、時に相手の気持ち一つで決まる面がある。