「すみません。あの、ちょっと。聞いていますか?」「あなたはエアポッズをつけたままなので、(聞こえているかどうか)分からないのですが」米アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッズ)」や他社の類似商品がこれほど普及する以前から、人と人とのコミュニケーションにはすれ違いがつきものだったとはいえ、ルール違反と呼べるものが少なくとも一部は存在しているように思えた。だが、もはやそうではない。米ミズーリ州セントルイスの診療所で家庭医として働くダン・ワイゼル氏は、診察室でもイヤホンを装着したままの患者が増えていることに気付くようになった。「私の話に集中していないように見え、最初は失礼だと思った」という。