つまり、スポーツとビジネスの距離が遠いのは、日本ではスポーツが体育だからに他なりません。「体育としてのスポーツ」をビジネスがスポンサーとして金銭のみでサポートするという関係に終わっているのが現状です。
本記事を読まれているみなさんには、ぜひスポーツからビジネスや人生に大切なことを学び、人としての豊かさのヒントを手に入れていただきたいと思います。
「チームワークの大原則」も、まさにスポーツから学んでいける大切なテーマの1つなのです。
スポーツは、チームに大切な「個人の自立」と「全体の共有」と「関係の信頼」という抽象度の高いテーマをはっきりと、わたしたちにわかりやすく伝えてくれます。

チームが自立した個人の集合でなければ勝てないのです。また、全体の共有レベルをコミュニケーションで高めなければ勝てません。そして、関係の質が悪く、信頼がないと負けてしまいます。スポーツは出口が勝ち負けではっきりしているわかりやすい人間活動だからこそ、その結果を構成している定量化しにくい人間的な要素が、より明確に見えてきます。
勝ち負けがはっきりしていないビジネスでも結果は問われますし、目標の達成が求められるでしょう。
そして、そこにはスポーツと同じように人間の営みがあり、プロセスがあり、個人や関係や全体が存在しているのです。
このような視点でスポーツとの共通性が見いだせたら、スポーツを通じたビジネスの方法論ではなく、それを遂行する人や組織・チームのあり方を学ぶためのわかりやすい材料であり素材となるはずです。