「ポジティブ思考」は逆効果? 心を守るために今すぐやめるべきこと
誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

【精神科医が教える】9割の人が心が落ち込んだときの対処法・ワースト1Photo: Adobe Stock

気持ちが沈んだとき、どうすればいい?

今日は、「なんだかモヤモヤする」「不安で落ち着かない」「ネガティブになってしまう」といった、精神的に調子が悪いときの対策についてお話しします。

気持ちの問題は、気持ちで解決しようとしない

まず、一番大事なポイントは、「気持ちの問題を気持ちで解決しようとしない」ことです。

たとえば、自分に自信が持てないときに、「もっと前向きに考えよう」と無理にポジティブ思考にしようとしたり、不安でいっぱいのときに「不安を消そう」と頑張ったりしがちですよね。

でも、これは非常に高度なテクニックが必要なアプローチで、簡単にはできません。

ネガティブな気持ちは「体の不調」から来ている

気持ちが沈んでいるとき、「無理にポジティブになろう」としても、うまくいかないことが多いです。その原因は、実は体のコンディションの悪さにあります。

寝不足や疲れ、風邪のひき始めなど、体調が悪いときには、どうしても気分もネガティブになりがちです。これは誰にでも起こる自然な反応です。

その人の性格によって、イライラしやすくなったり、寝つきが悪くなったり、自己否定的な考えにとらわれやすくなったりするなど、出方には個人差がありますが、根本は「体の調子が悪いこと」が多いのです。

まずは体を整えることが先決です

ですから、精神的に沈んでいると感じたときは、まず体の調子を整えることを考えてみてください。

* 十分な睡眠をとる
* しっかり食事をとる(血糖値が下がっているとイライラしやすくなります)
* 寒いときは体を温め、暑いときは涼しくする
* お風呂に入ってリラックスする
* 「今日はもう何もしない」と決めてゴロゴロ過ごす

こうしたシンプルな行動だけで、気持ちはグッと落ち着いてきます。

体調がいいときは、自然と前向きになれる

考えてみてください。よく眠れて、朝スッキリ目覚めて、天気もよくて体調もいい……そんなときって、自然と「今日はいい日だな」と感じますよね。

これは、体のコンディションが整っているからこそです。

逆に、空腹で寒くて風邪気味、さらに疲れていて眠いとなれば、どんなにがんばっても前向きな気持ちにはなれません。

気持ちを変えたいときこそ、まず体を見直す

真面目な人ほど、「ネガティブになるのは自分の心が弱いせい」と思いがちです。そして、なんとか自分の心を変えようと努力します。

でも、体のコンディションが悪い状態で、それをやろうとするのはとても大変ですし、エネルギーもたくさん使います。

ですから、心が疲れていると感じたときは、まず「体の調子を整える」ことを意識してみてください。それが、ネガティブな気持ちを和らげる一番の近道です。

気持ちの問題を、気持ちで解決しようとしない。これが、心を守るための鉄則です。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。