
「もはや役としてなのか自分としてなのか分からなくなるくらい、
のぶと一緒に生きている感覚」
――第13週で、4年ぶりに嵩と再会するシーンはいかがでしたか?
「のぶとしては、次郎さんも亡くなって、大好きな子どもたちも傷つけて、本当にどん底のときでした。のぶは責任感も強いですし、こんな自分が生きていていいのだろうかと。それまでは次郎さんがいて救われていたけれど、それもなくなってしまった。
そんなときに嵩と再会し、今まではのぶが嵩を元気づけることが多かったのですが、このシーンでは逆に嵩がどん底からのぶを引っ張り上げてくれて。このときの嵩の言葉がすごく心に残っていますし、のぶが本当に救われた瞬間でした。
このシーンで、北村さんは『戦地でいろんな経験をしたからこそ、少し達観している嵩でいたい』とおっしゃっていました。戦地でのシーンは、のぶが暮らす高知とは遠く離れた別の場所で起こっていることなので、私自身はあえて台本は読まないようにしていましたが、北村さんをはじめ、出演者の皆さんは実際に食事を抜いて撮影に挑んでいました。
私も放送を見て、「ここまで描くんだ」と思いましたし、言葉にできないくらい壮絶だなと。でも、やなせさんの人生を描く上で大切な部分ですし、この『あんぱん』チーム全員が戦争というものに本気で向き合っている覚悟を感じました。この作品を通して、改めて戦争について考える機会が少しでも増えたらいいなと思います」
――生きる希望を見失いながらも、再び前を向いて進み始めたのぶ。今後の物語の見どころを教えてください。
「本当に私自身ものぶと一緒に悩んだり、涙したり……もはや役としてなのか自分としてなのか分からなくなるくらい、のぶと一緒に生きている感覚があります。
第14週で、のぶが高知新報に入ってからは、明るいシーンも多くなりましたし、今後のぶの運命を変える人との出会いも待っています。のぶも嵩も戦争を乗り越え、二人が「逆転しない正義とは何なのか?」、その答えを探しながら奮闘する姿を、ぜひ応援してもらえるとうれしいです。
また、のぶと嵩の関係もどうなっていくのか。ぐずぐずしている嵩を見て『もう、嵩!』となっている方も多いと思いますが(笑)、今後の展開もどうぞお楽しみに!」
7月6日(日)にBS4Kで『あんぱん』総集編(第1週から第13週まで)が2回に分けて放送される。第1回は午後3時42分~午後4時26分、第2回午後4時26分~午後5時10分。
BS4Kが見られない人には、総合では7月12日(土)第1回午後3時05分~午後3時49分、第2回午後3時49分~午後4時33分