
のぶ役・今田美桜さんのコメント
「うれしくて苦しくて、忘れられないシーン」とは?
さて。のぶの家に居候することになったメイコ(原菜乃華)も仕事探しに奮闘し、やっと仕事をみつけた。戦後、女性たちが外に出て働き始める。男性が少なくなって結婚の可能性が減ったなかで、新たな生き方を模索していく女性たちを明るく軽やかなタッチで描いている。まさに絶望に追いつかれない速さで走る人たちの姿である。
では今日は、絶望に追いつかれないように走っているのぶを演じている今田美桜さんのコメントを紹介しよう。
――次郎に対するのぶの思いを、今田さんはどのように想像して演じられましたか?
「次郎さんからプロポーズを受けたタイミングというのは、のぶが“愛国の鑑”だと言われることに悩んでいるときで。自分の思う正義を信じている中で、豪(細田佳央太)ちゃんが亡くなってしまい、蘭子(河合優実)とも衝突してしまって……。本当はずっと「自分の進んでいる道はこれでいいのだろうか?」という葛藤があったものの、家族にすら悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでいました。
そんなときに出会った次郎さんが、自分の弱い部分もすべて認めてくれて、やさしく、あたたかく包み込んでくれた。だからこそ、のぶはこの人に自分の人生を委ねてみたいと思ったんだと思います。
次郎さんとのシーンは少なかったのですが、演じる中島さんのおかげもあって、とても思い出深いシーンばかりです。のぶが次郎さんの撮った写真を現像するシーンでは、次郎さんから今までもらった、たくさんの愛情を思い出しました。その愛情がうれしくて苦しくて、忘れられないシーンです。
次郎さんがのぶに残してくれた『自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ 絶望に追いつかれない速さで』というメッセージは、今後のぶがそれを胸に駆けていく、ずっと大事にしていきたい言葉ですね。もともと走るのが大好きで、いつもまっすぐに突っ走っていたのぶらしさというものを、あの言葉で思い出した感覚がありました」