『月刊くじら』始動!→金曜ラストでぜんぶ持っていった嵩「同僚編」ついに開幕!?【今田美桜コメント付き・あんぱん第70回レビュー】『あんぱん』第70回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月から金曜までチェックし、当日の感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年続けてきた著者による「見なくてもわかる、読んだらもっとドラマが見たくなる」そんな連載です。本日は、第70回(2025年7月4日放送)の「あんぱん」レビューです。(ライター 木俣 冬)

史実では、のぶと嵩のモデルである
小松暢とやなせたかしが「月刊高知」に所属

「沢村先生の小説 挿絵 のぶの手芸特集 岩清水の原稿 座談会のことも忘れるな」(東海林〈津田健次郎〉)

 岩清水(倉悠貴)の原稿ってなんの原稿なんだろう。のぶは手芸特集と具体的なのに岩清水がざっくりし過ぎている。

 ざっくりと言えば、いつの間にか、新創刊の月刊誌は『月刊くじら』という名前に決まっていた。「くじら」に託した思いを知りたい。

 史実ではのぶ(今田美桜)のモデル・小松暢と嵩のモデル・やなせたかしが所属していたのは「月刊高知」だ。戦争が終わって日本に戻ってきたやなせは、高知新聞の入社試験を受けて合格。社会部で働き始めるが、すぐに月刊高知に配属替えとなる。

 そこにはリーダーのほかふたりの社員。そのひとりが暢だった。わずか4人のメンバー(ほかに客員がひとり参加)で月刊誌を作っていた。ここでやなせたかしは暢に一目惚れ。やがて結婚することになった。

 暢は得意の速記を生かして対談のまとめや、美容や手芸特集を担当。亡き夫の形見のカメラで撮影も行うという八面六臂の仕事っぷりだったらしい。