米連邦議会下院は3日、共和党がまとめた包括的な税制・歳出法案を僅差で可決した。第2次トランプ政権にとって大きな勝利となるとともに、議会共和党を掌握するドナルド・トランプ大統領の影響力を改めて浮き彫りにした。賛成218票・反対214票で可決した。法案はトランプ氏の署名で成立する。法案には減税、国境警備強化、社会保障支出削減などが盛り込まれており、トランプ氏が議会に対して設けた7月4日の期限に間に合う形で可決された。先に上院を通過していた法案を巡っては多くの議員が懸念を示していたが、トランプ氏と共和党指導部は徹夜の審議を経て下院を通過させた。共和党のトーマス・マシー下院議員(ケンタッキー州)とブライアン・フィッツパトリック下院議員(ペンシルベニア州)の2人が、民主党議員全員と共に反対票を投じた。採決に先立ち、共和党内では法案に反対する保守派および穏健派との長い交渉が行われ、最終的にトランプ氏とマイク・ジョンソン下院議長(ルイジアナ州)が十分な数の議員を説得することに成功した。