今日から生活に取り入れたい
糖尿病予防のQ&A

Q1 炭水化物を減らした分、何を食べるべきか

A1 野菜やタンパク質を摂りましょう

 食物繊維が豊富に含まれる炭水化物を減らすと、便秘気味になることも。食物繊維を摂るためにも、野菜を多く摂取しましょう。野菜に含まれるビタミンやミネラルは、糖を効率よくエネルギーに変換するのに役立ち、血流を改善する効果もあります。

 加えて、肉や魚、卵などのタンパク質は、臓器や骨、筋肉の材料になる重要な栄養素ですから、多めに摂ってもOKです。ただし、肉の脂身やバターなどの動物性脂肪は、コレステロールや中性脂肪を増やすので控えめに。同じ脂質でも、魚介類やアマニ油、エゴマ油などの植物由来の油に含まれるオメガ3系と呼ばれるα-リノレン酸は、免疫機能を改善する作用がありますから、意識して摂るとよいでしょう。

Q2 血糖値が上がりにくくなる食事法は?

A2 おかずから先に、ゆっくり、よく噛んで

 炭水化物の摂取量が多い人、大食い・早食いの人は食後血糖値が急上昇しやすい傾向があります。朝はパンだけ、昼は素うどんだけなど、炭水化物のみの食事はもっとも悪い例といえます。食後血糖値の上昇に気づかず、同じような食習慣を続けていると、徐々に膵臓の働きが低下するおそれがあります。

 『ゆっくり、よく噛んで食べる』『炭水化物のみは避け、なるべく品数の多いメニューを選ぶ』『野菜や肉、魚などのおかずから先に食べる』のが、食後血糖値をゆるやかにするコツ。さらに、食事の30分後に運動を取り入れるようにするとより効果的です。

書影『名医に聞く健康法』(中央公論新社編、中央公論新社)『名医に聞く健康法』(中央公論新社編、中央公論新社)

Q3 歯周病の人は糖尿病が悪化するのは、なぜ?

A3 歯周病菌がインスリンの働きを妨げるから

 歯周病菌に含まれる毒素が歯肉から血管内に入り込み、血液中のインスリンの働きを妨げるため、糖尿病が進行しやすくなると考えられています。

 一方、糖尿病の人は、殺菌作用がある白血球の働きが悪くなるため、歯周病が進行しやすいのです。歯周病が進行して歯を失ってしまうと、食べ物をしっかり噛めなくなって消化・吸収が悪くなり、血糖値がさらに上がりやすくなるという悪循環に陥るおそれがあります。

 糖尿病を悪化させないためには、口腔(こうくう)ケアにも気を配りましょう。