これを見てみると、1、2年生では4割が、3年生以上は2割から3割の子どもが体調を悪くしたことがあると回答していることが確認できます。つまり、低学年であれば2~3人に1人が体調を悪くした経験があり、高学年であれば4人に1人程度は体調を悪くした経験があるということです。
アクセサリーや化粧品の
アレルギー反応に注意
学年と体調を悪くした経験には関連がみとめられませんでしたが(クラメールのV=0.22、p=0.132)(編集部注/クラメールのV値とp値は、2つの物事の関連性の強さを示す指標)、小学生のダイエットはあまりおすすめできないものといえそうです(注10)。

さらに、学年が低くても体調不良の経験割合が大きいことから、よくわからないまま極端なダイエットをしたり身体に負担のかかるダイエットをしてしまったりしている子どもがいることが示唆されます。ただ、ダイエットをやめさせるために健康的側面から正しさを説いてもあまり効果がありません。
とはいえ、身体の受け止め方といった認知面に加え、子どもの体にはどのような食事が必要で、どのようなことをすれば体調が悪くなる可能性があるのか、それらについて低年齢のうちから伝えていくことが必要と言えます。
装い身体トラブルは、子どもであるからこそ大きな問題になりえます。子どものころにおきた装い身体トラブルは、その後の発達にネガティブな影響を及ぼしうるからです。
たとえば、化粧品やアクセサリーによるアレルギー反応が一度生じてしまうと、一生涯続いてしまうことが多いとされています。子どもは皮膚が弱く影響を受けやすいため、成長してからであればトラブルとならなかったかもしれないのに、子どもの頃にトラブルになってしまったがゆえに、その後の長い人生ずっとそのおしゃれを楽しめないということにもなりえます。
健康的に楽しく人生を送るため
おしゃれが与える影響を考える
また、足の形に無理がかかるような靴を履いたりすれば、外反母趾などになっていく可能性もあります(注11)。そうなると、一生困ることになります。ダイエットも同様です。極端なダイエットは、骨粗鬆症の原因になったり、生理不順の原因になったり、そして場合によっては摂食障害になったりと、その後の心身への影響が大きく、10年も20年も回復できなかったりします。
健康的に楽しく人生を過ごしていくには、健康的な身体も重要です。子どもの頃のちょっとした行動が、身体にダメージを与え、それが一生のものとなった場合、それこそ後に悔やんでもどうしようもありません。だからこそ、何かしらの形で大人が教育や啓蒙などをおこなうことも重要になってくると考えられます。そして子どもたち自身も、できるだけ考える必要があるといえるでしょう。
注11 子どもの外反母趾は、合わない靴による大人の外反母趾とは別物の場合もあります。