子ども美容イメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

年々進む「おしゃれの低年齢化」。その要因はさまざまだが、年齢が低いほど母親の影響が大きいという。心理学の専門家・鈴木公啓氏が“子どもとおしゃれ”の関係について解説する。※本稿は、鈴木公啓『子どものおしゃれにどう向き合う? 装いの心理学』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

親が考えている以上に
子は親の言動を見ている

 子どもは親の影響を多分に受けて育ちます。親のしつけや教育といった明示的なものだけではなく、親の普段の振る舞い、言動、何を食べ、どこに行き、何を買っているか、といったことも子どもに影響を及ぼします。

 子どもに影響を与えようとしているわけでなくとも、親のおこなっていることを子どもは見て、それを自分の中に取り込んでいくのです。

 それは子どもの側も別に積極的に意識して毎日取り込んでいこうとしているわけではありません。意識しないうちに、別に見ようとしているわけではなく本人も気づかないうちに、取り込んでいくのです。ですから、親は影響を与えたつもりもなく、子どもも影響を受けたという意識がなくとも、影響は生じています。

 また、影響という点では、「モデリング」というものもあります(注1)。これは簡単にいうと、他者の行動を見てそれを自分もまねすることによって、自分のものとしていくことです。

注1 Bandura, A. (1971). Psychological Modelling : Conflicting Theories. Aldine-Atherton Inc.