低年齢であるほど
問題が起きやすい?

 先ほど、未就学児のおしゃれ経験者における身体のトラブルの経験割合が、上の年齢層に比べ相対的に大きいことを確認しました。この理由として、皮膚の特徴が関係していると考えられます。

 子どもの皮膚は構造的にも免疫学的にも未熟です。子どもの皮膚は大人よりも薄いため、たとえば同じ化粧品を用いたとしても、大人に比べ皮膚のかぶれなどのトラブルが生じやすくなります。

 また、子どもの場合は、適切な使用法を理解していない場合があることも考えられ、それが問題を引き起こしている可能性もあります。つまり、化粧品の使い方や落とし方などを十分に認識していないために、大人であれば生じないですんだはずのトラブルが生じるということがありえるのです。

 子どもは低年齢であるほど、化粧品等に記載された使用方法や注意事項を十分に理解することが難しいです。また、見よう見まねで使っていて、適切な使い方を知らない場合があります。さらに、不適切な使い方をすることによってどのような問題が生じる可能性があるかについて十分に理解していない、想像できていない場合もあります。

 そもそも、少なくとも現在流通している化粧品が、皮膚の弱い子どもに何も影響を及ぼさないという保証はありません。たとえ「低刺激」などという表記があったとしても、それは国などが定めた基準があるわけではなく、各メーカー内の基準によりますし、海外で安全とされているものが日本でも安全とは限りません。人種(科学的には古い考え方ではありますが)によって、同じ化粧品であっても反応の仕方が異なることも指摘されています。

 なお、カラーコンタクトレンズに安全性の低いものがあったり(注7)、いわゆる100均ショップのマニキュアに発がん性物質が含まれていたことが発覚したり(注8)と、子どもが購入し使用しやすい商品に問題がある場合もあります。

注7 独立行政法人国民生活センター「カラーコンタクトレンズの安全性 カラコンの使用で目に障害も」(2014年)
注8 独立行政法人国民生活センター「子ども用のマニキュアからホルムアルデヒドを検出 当該品をお持ちの方は使用を中止して下さい」(2016年)
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20160225_4.pdf