米中の対立関係において、ドナルド・トランプ米大統領が経済的な攻撃を仕掛ける一方で、中国の指導者である習近平国家主席は「冷戦」を戦っている。習氏は長年準備してきた大がかりな戦略の下で通商交渉に臨んでいる。中国の政策顧問らによると、それは最初の冷戦でソ連が犯した過ちを習氏がどう理解しているかが起点になっている。顧問らによると、習氏は米国の経済的・軍事的優位性が続くことを十分認識した上で、直接的な対立を避けつつ、長期にわたる包括的な競争の中で中国の立場を固守することを目指している。かつて毛沢東が「戦略的膠着(こうちゃく)」と呼んだものを習氏は実現しようとしている。それは米国からの圧力が制御可能で、中国が米国に追いつく時間を稼げるような、持続的な均衡状態だ。