住宅分譲地になる予定だった米アリゾナ州の約24平方キロメートルの元農地に、銅鉱山が建設されようとしている。実現すれば、国内で10年以上ぶりの新規の大規模銅鉱山となる。アイバンホー・エレクトリックは、2026年前半にこのサンタクルス鉱山の建設を開始し、28年末までにカソード銅メーカー向けに販売を開始する計画だ。この所要期間は業界では一瞬に等しい。鉱脈発見から生産開始まで数十年かかることも珍しくない。異例の速さの理由は、この場所が、業界が活況を呈しているアリゾナ州フェニックスとトゥーソンを結ぶ一帯に沿った私有地だからだ。操業開始は早いに越したことはなく、その恩恵を受けるのはアイバンホー・エレクトリックの投資家だけではない。