米動画配信大手ネットフリックスがストリーミング戦争の明らかな勝者となって久しい。だが今後どうなるかは答えるのが極めて難しい問題だ。メディアが厳しい状況に置かれる中、ネットフリックスは依然として安泰のように見える。4-6月期(第2四半期)決算で増収率、営業利益率がいずれも前年同期比を上回り、市場予想も上回った。ネットフリックスは通期の業績予想も上方修正し、営業利益は約135億ドルになる見込みだ。これに対し、従来のメディア企業の中でネットフリックスに一番近いライバルである米ウォルト・ディズニーの同時期の娯楽・動画配信部門の利益は、約14億ドルと予想されている(ファクトセットのコンセンサス予想)。言い換えれば、ネットフリックスは極めて順調だ。だが同社の予想株価収益率(PER)は約44倍で、株価は爆発的な成長を織り込んでいる。株価は半年で50%近く上昇しており、時価総額は5400億ドル(約80兆円)強と、ディズニーの2倍以上だった。