
「お客様は神様です」。かつて誰もが耳にしたこの言葉が、いまや理不尽なカスタマーハラスメント(カスハラ)を正当化する呪文になっていないだろうか。カスハラとクレームの本質的な違いを明らかにし、接客業に携わるすべての人が知っておくべき“境界線”について解説する。※本稿は、安藤俊介『いますぐできる!接客・サービス業のためのアンガーマネジメント』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
「お客様は神様です」は
誤解されたまま広がった
「お客様は神様です」は、一定年齢層以上の人であれば聞いたことがある言葉だと思います。またカスハラ対応をする側として、この言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この言葉が使われる時、お客のほうが偉いのだから、事業者はお客さんの言う通りにしなければいけないし、お客さんを満足させるのが当たり前だという、お客と事業者間の力関係が前提となります。
この言葉は、歌手の故人・三波春夫さんが1961年に言った言葉が由来だとされています。それを、当時人気漫才トリオだったレツゴー三匹が面白おかしく言ったところ、広く知られるようになったようです。
この言葉についての誤解は三波春夫さんの公式ウェブサイトで丁寧に説明がされています。ここではそのごく一部を引用します。発言の経緯、詳細についてはぜひ一度三波春夫さんの公式サイトをご一読ください。