“三波にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。また、「お客様は神だから徹底的に大事にして媚びなさい。何をされようが我慢して尽くしなさい」などと発想、発言したことはまったくありません。”
出典:三波春夫オフィシャルサイト

 しかし、残念ながらその誤解の訂正は知られず、誤解が誤解のまま広がってしまっていて、カスハラ加害者側に都合の良いように使われています。

 誰がカスハラをしているかと言えば、多くの調査から40代以上の男性がかなりの部分を占めていることがわかっています。

図表1:性別で見るカスハラ同書より転載
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図表2:推定年齢別で見るカスハラ同書より転載
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カスハラの加害者は
過去の価値観にすがる昭和世代

「ハラスメント」という考え方が使われるようになったのは、この20年くらいのことです。それまではハラスメントという考え方すらありませんでした。考え方もなかったので、それが問題だとも思われていませんでした。

 しかし、時代が変わったのに価値観をアップデートできていないと、問題が生じます。

「昔はこれが普通だった」「嫌な時代になったもんだ」と過去にすがりついてしまうのです。

 若い頃から自分が慣れ親しんだ考え方、価値観は常識であり、疑いようのない大切なものです。ところが、考え方が古い、価値観が違うと言われてもその人たちにとって大切なもので、変えなければならないと迫られることは、危ない目にあっていることと同じ。