StoryHub代表取締役CEOの田島将太氏StoryHub代表取締役CEOの田島将太氏 Photo by Yuhei Iwamoto

ひとたびメディアやSNSを開けば、尽きないほどに出てくる「AI」の話題。ここにきて、テレビ局や出版社などメディア企業で導入の進むAI編集支援サービスがある。サービスを提供するのは、2022年創業のスタートアップ・StoryHubだ。直近には、Google出資で話題になったグロース市場上場企業・noteなどからも資金調達している。代表取締役CEOの田島将太氏にサービスや起業の経緯を聞いた。(ダイヤモンド・オンライン編集委員 岩本有平)

取材データの「素材」をアップし、「レシピ」を選べば記事を作成

 StoryHubが提供するのは、社名と同名のAI編集支援サービス「StoryHub」だ。ユーザーが取材のメモをはじめとしたテキストや音声、動画などのファイルを「素材」としてアップロードする。そして「取材した店舗の紹介記事」「専門家による解説記事」といった記事の体裁を示す「レシピ」を選べば、AIが文字起こしや記事執筆、校正などを自動で行うというもの。レシピはあらかじめ用意されるだけでなく、使用するAIモデルを選択したり、コンテンツの体裁を指示したりして、自作もできる。

「AIを活用してコンテンツを作る」と聞くと、SEO目的で記事を乱造するような印象を受ける人もいるかもしれない。しかしStoryHubが目指すのは、AIを活用することで、コンテンツに関わる人たちが、企画や取材といった上流工程、つまり人力でないとできない作業に集中するためのサービスとして設計されている。

 筆者もサービスを試用したが、そもそもメモや音声データといった取材の成果物がない状態では、コンテンツを作るということができない構造だった。StoryHub代表取締役CEOの田島将太氏も「StoryHubの開発時に、質の高いコンテンツを作らざるを得ないような設計」と話す。そういったサービスの思想を裏付けるのが、サービスの導入実績だ。