
ガスト店長の年収が最大で1000万円――。飲食業界の給与水準を考えると「高すぎる」と驚くのも無理はありません。しかし、もしあなたがそう感じただけなら、残念ながらこのチャンスを掴むことはできないでしょう。実はこの破格の年収提示には、すかいらーくが店長に求める「ある重要な役割」への期待が込められています。このメッセージを読み解けない人は、そもそも今回の募集の対象者ではないかもしれません。転職のプロとそのメッセージを読み解きます。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)
年収水準の低い飲食業界
ファミレス店長が年収1000万円超の衝撃
外食大手のすかいらーくホールディングスは、「ガスト」や「バーミヤン」など同社が運営する店舗において店長の年収を従来の最大840万円から最大1000万円超とする人事制度を導入すると発表。大きな話題となりました。
この人事制度はマネージャーの等級制度を変更し、高いレベルの店舗マネジメント力を身に付けて成果を挙げれば、従来の制度以上の給与水準を目指せるようにするものです。
一般に飲食業は給与水準が低く、「令和5年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)によると「宿泊業,飲食サービス業」の毎月の賃金は25万9500円。伸び率でも前年比0.8%に留まっています。このようなイメージも注目を集める要因かもしれません。
また、dodaによれば販売/サービス職種の店長の年収は417.4万円、indeedでは「東京都での店長・マネージャー フード・飲食店の給与」は約364万円(7月21日)です。やはり店長職でも年収の水準は他の職種に比べると見劣りがします。