35歳から会社に居場所がなくなっていく人が「できていないこと」ワースト1とは何か。
次々と新たなビジネスを仕掛ける稀代の起業家、佐藤航陽氏。数々の成功者に接し、自らの体験も体系化し、「これからどう生きるか?」を徹底的に考察した超・期待作『ゆるストイック』を上梓した。
コロナ後の生き方として重要なキーワードは、「ストイック」と「ゆるさ」。令和のヒーローたち(大谷翔平、井上尚弥、藤井聡太…)は、なぜストイックに自分に向き合い続けるのか。
『ゆるストイック』では、新しい時代に突入しつつある今、「どのように日常を過ごしていくべきか」を言語化し、「私自身が深掘りし、自分なりにスッキリ整理できたプロセスを、読者のみなさんに共有したいと思っています」と語っている。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

ゆるさとは怠惰ではなく「柔軟さ」
不確実性のある時代。
これから必要になるのは、「ゆるストイック」な生き方です。
まず、「ゆるさ」という概念は、単なるいい加減さや怠惰さを指すものではありません。
ここでのゆるさは、むしろ状況や環境に応じて自分の在り方や行動を変えられる「柔軟性」を意味します。
現代では、仕事でもプライベートでも、決められたルールや枠組みの中だけで解決できない問題が次々と現れます。
従来の方法論だけでなく、さまざまな視点から新しい解決策を模索するためには、固定観念にとらわれない柔軟な姿勢が重要です。
たとえば、ビジネスの場面で急な計画変更や、新たな市場ニーズが発生することは日常茶飯事です。
そのような場面で柔軟に対応できる人や組織は、長期的な成功を収めやすくなります。
ゆるさを持つことで、他人の意見を受け入れ、新たな発想を取り入れる余地が生まれ、結果的により多様な解決策を見出すことができるのです。
かつては、計画的に未来を予測し、安定した方針で行動することが正解とされてきましたが、今や未来はあまりにも不確定です。
テクノロジーの進化、環境問題の深刻化、グローバルな情勢変化により、数年前には想像もつかなかったような変化が急速に訪れています。
このような状況においては、硬直した対応を続ける人や組織は時代の変化についていけず、成果を上げることが難しくなります。
水のように柔軟であることは、変化に合わせて自在に形を変える能力を持つことです。
水はどんな容器に入れてもその形に適応します。
同様に、私たちも変化する状況に応じて自分の行動や思考を柔軟に変えていくことが求められます。
そうすることで、変化を受け入れるだけでなく、むしろ変化を機会として利用することが可能になります。
「新しい技術」に触れ続けよう
人は、年を重ねるごとに新しいものを受け入れることが難しくなります。
ためしに最近、新しく学んだことを思い出してください。
すぐに思いつかない人はマズいかもしれません。
現代社会において、変化の最も大きな推進力は「テクノロジーの進化」にあります。
テクノロジーは社会構造や働き方、人々の生活スタイルを一変させる力を持っています。
インターネットの普及が情報の流通を激変させ、スマートフォンが生活のあらゆるシーンに新たな価値を提供したように、現在もAIや量子コンピュータといった新技術が日々登場し、社会に大きな影響を与えています。
こうした新しいテクノロジーを理解し、活用できることが、変化に対する適応力の源となります。
新技術を積極的に取り入れる姿勢は、組織や個人が時代の流れに遅れずに進化し続けるための重要なスキルと言えるでしょう。
この連載でも述べているように、人間の脳は、年齢を重ねるごとに新しいものを受け入れることが難しくなりがちです。
特に、35歳以降の人たちは、どんどん頭が固くなっていきます。
しかし、変化の激しい現代においては、常に新しいものに目を向け、試してみる姿勢が必要です。
新技術を拒絶してしまうと、自分が所属する職場での変化にもついていけなくなり、やがて居場所が減っていくことに繋がるでしょう。
そういった「新しい技術を拒絶すること」が、ワースト習慣なのです。
株式会社スペースデータ 代表取締役社長
1986年、福島県生まれ。早稲田大学在学中の2007年にIT企業を設立し、代表取締役に就任。ビッグデータ解析やオンライン決済の事業を立ち上げ、世界8ヵ国に展開する。2015年に20代で東証マザーズに上場。その後、2017年に宇宙開発を目的に株式会社スペースデータを創業。コロナ禍前にSNSから姿を消し、仮想現実と宇宙開発の専門家になる。今は、宇宙ステーションやロボット開発に携わり、JAXAや国連と協働している。米経済誌「Forbes」の30歳未満のアジアを代表する30人(Forbes 30 Under 30 Asia)に選出される。最新刊『ゆるストイック』(ダイヤモンド社)を上梓し、8万部を突破した。
また、新しくYouTubeチャンネル「佐藤航陽の宇宙会議」https://youtube.com/@ka2aki86 をスタートさせた。