あらためてまとめると次の3つです。

(1)暗号資産に関わる収益の分離課税方式への変更
(2)暗号資産ETFの導入
(3)暗号資産取引におけるレバレッジの拡大

 例えば税制の変更については報道で見聞きしている方も多いのではないでしょうか。すでに政府および金融庁で議論が行われており(私も関係者として参加しています)、早ければ2026年から暗号資産についても他の金融資産と同じように一律20%の申告分離課税に変更される見込みです。

 そうなれば、いまは認められていない暗号資産の取引による損失の繰り越し控除も可能になります。

 こうした税制改正によって、海外へ流出していた大量の暗号資産が国内に回帰する可能性が十分にあるのです。

 また、暗号資産ETFの承認には法律改正は必要なく、投信法施行令の改正だけで制度面の対応が可能です。そのため、暗号資産の収益が申告分離課税に変更されれば、ほどなく日本国内でもビットコインなどのETFが登場するでしょう。

 ETFが登場すれば、暗号資産への投資が多くの個人投資家にとってより身近なものになるのは間違いありません。

 そこまで状況が進展すれば、遅かれ早かれ政府も暗号資産取引におけるレバレッジ拡大に向けて動き始めるはずです。

書影『デジタル資産とWeb3』『デジタル資産とWeb3』(小田玄紀、アスコム)