車内の雰囲気もガラリと変わって、パッと乗ると助手席側も含め画面に囲まれているような感覚を覚える。上下を平らにした形状のステアリングホイールはスポークに多くの機能が盛り込まれていて、運転席側のドアにはタッチパネルと物理スイッチを組み合わせた操作パネルが配されている。ラグジュアリーパッケージを選択するとこのとおり車内の質感がグンと高まる。

 ドライブフィールは、従来型のA4も完成度は高かったこと認識しているが、新しいA5はすべてが一段上のまとまりとなっていた。今回は市街地と都市高速をメインにドライブしたのだが、コーナーでのロールが小さく、フラット感のある走りで乗り心地がよいことも印象的だった。中でもステアリングフィールが絶品だ。軽い中にもしっかりとした手応えがあり、応答遅れがなく素直に動いて、正確でニュートラルなハンドリングを実現している。意のままの走りにより磨きがかけられていた。

 オプションのアダプティブダンパー付きサスペンションは秀逸。ドライブセレクトをバランスモードにしておけばオールラウンドで快適な走りとなり、コンフォートモードにすると乗り心地が一段とソフトになる。ダイナミックモードではひきしまった乗り味となり、ステアリングの手応えも増すなど、よりメリハリの効いた走りが楽しめる。トルクベクタリング機構を搭載したS5は、より俊敏で操縦安定性の高いハンドリングを楽しむことができる。

新設定されたハイブリッドMHEV plus
EV走行に対応し、加速シーンでのアシストも担う

 パワートレーンは計4タイプ。新型は最高出力がそのままグレード名になっていて、可変タービンジオメトリーを採用した2L直4TFSIガソリンターボには110kWと150kWがあり、試乗した150kWは110kWに対して最大トルク値が60Nm大きく、0→100km/h加速は2.2秒も速い7.6秒というだけあって、走りは十分な力強さで、軽やかな加速フィールとエンジンサウンドも心地よい。

 ダイナミックモードではシフトスケジュールも高回転を維持するようになるほか、クラッチのつながりも、あえてショックを感じるくらいになるなど、よりスポーティでダイレクト感のある走りが楽しめる。