パスキーのほうが、パスワードよりもログインが簡単

 パスキーでのログインは、パスワードよりも簡単だ。

 例えば、PCでウェブサービスにログインする際、パスキーを選ぶとQRコードが表示されるので、スマホカメラで撮影して、指紋認証や顔認証をするだけでいい。端末によってはQRコードも出ず、即スマホに解除画面が表示される。この簡単操作で、ウェブサービスにログインできる。スマホのロックを解除するような感覚でログインできるのはありがたい。

 Googleの調査によると、パスワード認証の平均成功率は約14%にとどまる。パスワードを忘れる、大文字と小文字を間違える、特殊文字の入力でつまずくといった失敗が頻発するためだ。その点、パスキーの場合、成功率は約64%と4倍近くに跳ね上がる。指紋認証や顔認証は直感的で、失敗する要因が少ないためだ。ログイン時間も従来の半分に短縮され、いいことずくめだ。

 パスキーはAppleのiCloudキーチェーンやGoogleパスワードマネージャーを通じて複数のデバイス間で同期される。iPhoneで登録したパスキーをMacでも利用でき、AndroidとWindowsの組み合わせでも利用できる。パスキーは複数登録できるので、iPhoneとAndroidの両方でパスキーを作っておいてもいい。また、1Passwordなどのパスキー対応アプリを利用すれば、iPhoneとAndroid間でもパスキーを共有できる。

Googleが激推しする認証方式「パスキー」って何だ?パスワードの代わりに今すぐ設定すべき理由iOSは「パスワード」アプリ、Androidは設定の「パスワードマネージャー」で、作成したパスキーを確認できる

 端末(スマホやパソコンなど)が壊れた、紛失してしまったという場合も、同期しているなら、そのアカウントでログインすることでそのまま利用できる。同期していない場合は、従来のパスワードやメールアドレス、SMS、バックアップコードなどで回復する必要がある。パスキーを設定する際は回復方法をチェックしておこう。

 いったん設定しておけば、その後はラクになるのがいいところだ。次ページではパスキーの導入方法を、GoogleとAmazonについて具体的に紹介する。