今や若者だけでなく、シニア層もネットを利用するのが当たり前になりました。免許が必要な車の運転と違い、スマホやパソコンは誰でも使えますが、それだけに最低限のデジタルリテラシーを身に付ける必要があります。連載第1回は“本当にあった怖い話”を例に、デジタルツールの同期機能の落とし穴を解説します。(NPO法人デジタルリテラシー向上機構 代表理事 柳谷智宣)
デジタルツールを使う人はみな、
最低限のリテラシーを身に付ける必要がある
総務省の調査(令和2年版 情報通信白書)によると、2019年の日本の世帯におけるスマートフォンの保有割合は83.4%と8割を超えています。2021年現在ではさらに高い割合になっているでしょう。コミュニケーションアプリ「LINE」のユーザー数も8800万人を超え、若年層はもちろん、シニア層もデジタルツールを使うようになってきています。
普及率だけを見れば、デジタルが浸透しているとも見えますが、使いこなせているかというと、そうとはいえない状況です。デジタルツールを使うには最低限のリテラシーが必要になります。リテラシーとは直訳すると読み書き能力のことですが、転じて「利用、活用する能力」という意味でも使われています。デジタルリテラシーが低いと、さまざまなトラブルに直面してしまう可能性があります。