自分の投資スタイルを見極める4つの視点とは?
東京大学大学院卒業後、ゴールドマン・サックスに入社。30代にして上位数パーセントの幹部、マネージング・ディレクターに就任し、アジアのトレーディングチームを率い、巨額の利益を上げた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトップトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法有望な個別株の見つけ方まで、すぐに役立つノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが教える】投資初心者と中級者を分けた「たったひとつの習慣」…10年後に見えた大きな差Photo: Adobe Stock

グローバル分散・パッシブ投資で資産が4倍近くに

2025年現在、私が10年前から始めたグローバル分散・パッシブ投資4倍近くになっています。

この10年間、コツコツと積み立て投資をしてきた人も、投資額は2倍程度になっているはずです。

10年前の私に投資の相談をしてきた親戚や友人からは、今は一様に感謝されています。

円安の追い風を差し引いても魅力的な投資

これは円安などの影響もあるため、ややできすぎの結果かもしれません。

それでも長期的にはグローバル分散・パッシブ投資から年率3~4%程度のリターンは期待できますから、長期投資をすることで複利効果を享受して、投資額を倍以上に増やすことは決して無理な話ではありません。

忙しい人には「ほったらかし投資」がちょうどいい

もしもあなたが求める投資リターンがこれくらいで十分であれば、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(通称:オルカン)や公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のような4資産均等投資を粘り強く継続すれば、それだけで目的を果たせます

忙しくて投資のことを考えるのは最小限にして、仕事や趣味にもっと時間を使いたいという人は、こうした投資法で十分です

「もう少し上」を目指したくなったあなたへ

正直、オルカン投資だけで十分と思うのであれば、その他の投資法については、あまり考えなくていいでしょう。

しかし、「もう少し高いレベルで投資をしてみよう」となると話は別です。投資の目的などに応じて、考えなくてはならないことが出てきます。

何事も成功すると、もう少し高いレベルに挑戦したくなるものです。おそらくあなたも、オルカンへの積み立て投資の先にある投資法が気になるのではないでしょうか。

株を選ぶ前に、自分を見つめ直す

投資について考えると、つい「どの株を買えばいいか」と思いがちですが、少し落ち着いてください。

一歩戻って、まずは投資をする動機やリスク許容度などを整理するために、自分と向き合うことから始めたほうがいいです。

自分の投資スタイルを見極める4つの視点

投資の動機は「もう少し短期間で儲けたい」「個別株に挑戦してみたい」など、人それぞれですが、次のような観点で整理することができます。

そうしたことを考えてからが、いよいよ具体的な金融商品を選ぶ段階なのです。

❶ 自分はなんのために投資をするのか
❷ 自分のリスク許容度と目標リターンの相関関係
❸ 自分が投資に費やせる時間
❹ 自分の得意分野

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。