「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの小川晶子氏に、「人生から追い出すべき失礼な人の特徴」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

「女って」と繰り返す先輩
「なぁ、女ってさぁ…」
大学生の頃、バイト先の先輩から何度も質問された。
先輩はイケメンで、シゴデキ風。社員からは信頼されており、バイトリーダーのポジションなのだが、厳しすぎるので後輩からは敬遠されていた。
そのうち、なぜかその先輩から頻繁に電話がかかってくるようになった。
当時は携帯電話すらないので、家電である。しかも実家の電話。
「どこどこの〇〇と申しますが、晶子さんはいらっしゃいますか?」
と言ってわざわざ電話してくるのだ。何事かと思うだろう。私も、バイト先の先輩だし無碍にはできないと思っていた。
しかし――。
「女ってさぁ」
その先輩がやたらと言うのだ。
「女って、けっこう素直じゃない生き物なのかな。ユリコは本当は俺のこと好きなのかな」
ユリコという女性が俺に気があるんじゃないのかという話を、なぜか私にしつこく聞いてくる。私はユリコを知らないし、「女って」と聞かれるほど私は女代表じゃない。
「まぁ、そうなんじゃないですか」
「やっぱりそう思うよな? この間もさぁ」
最初は適当に相槌を打っていたが、心底興味がなく、途中から聞いていなかった。
家の固定電話で長電話をするのは、けっこう大変である。移動できず同じ姿勢でいるのもあって集中力が切れる。
それでも私は「口がかたく、言うことを聞きそうな後輩」だったのだろう。
定期的に電話がかかってきて、「女ってさぁ」が始まる。
「知りません」が正解
私の中の「知らんがな」メーターはもう振り切ってしまい、ついに「私はユリコじゃないんで知りません」と言った。
すると先輩はキレて「わかったよ! お前にはもう二度と電話しないからな! いいんだな?」と言うのですかさず「はい」と答えた。
ガチャン! ツーツーツー。
受話器を叩きつけるような音が響き、それ以来本当に二度と電話は来なくなった。
私の生活は快適になった。ちょうど就職活動で忙しくなったようで、バイト先にも先輩は姿を現さなくなった。
このときの自分には、我ながら「グッジョブ!」と言いたい。先輩だからといって「ユリコが俺に気があるかどうか」の話に付き合わなければならない義理はまったくない。
第一、「女って」とひとくくりにするのは、大変失礼である。
「失礼な人」の特徴・ワースト3
『人生は「気分」が10割』は、自分の気分をコントロールするための習慣が106個も載っているのだが、そのうちの一つがまさにこれだ。
「『クソ失礼なやつら』を人生から叩き出す」
言葉は悪いが、このくらいパンチがあるほうが記憶に残り、現実に影響を与えてくれるのかもしれない。
著者のキム・ダスル氏が例に挙げている「クソ失礼なやつら」とは?
2. 親しみでラッピングした失礼
3. 心配するふりをした失礼
『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.105~106)
それぞれの解説も面白いので読んでほしい。たとえば「素直さを装った失礼」な人は、「ぶっちゃけ」とか「正直言って」などと言いながら自分の言いたいことだけ言って相手が傷ついているかを気にしない。
もしかしたらあなたの周りにもいるのではないだろうか。
そして、こう締めている。
周りにいる人たちは振り回されかねないので要注意だ。
『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.106)
先輩はまさにそうだったなぁと思ってしまった。
立場上、気を遣わざるを得ない場合もあるかもしれないが、「クソ失礼なやつらを人生から叩き出す」というパンチラインを思い起こすだけでも、ちょっと笑えて気持ちがラクになるんじゃないだろうか。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。