「オレンジの実ほどの大きさしかない爆弾が、一つのブロックの建物群を丸ごと破壊する、いや1000トンのコルダイト(無煙火薬)のエネルギーを集中させて一撃で一つの町を爆破する秘めた力を持つようになる可能性はないだろうか」。ウィンストン・チャーチルは1924年9月、このように尋ねた。その21年後に彼は一つの答えのようなものを得た。米国が日本を爆撃し、1945年8月6日に広島で7万人、3日後に長崎で4万人もの人々をたちどころに殺害した。それから80年間にわたり世界中で続いている議論は、民間人に対してそのような兵器を使用したことが人類史上最も悲惨な戦争の終結に直結したのだとしても、それを行ったハリー・トルーマン米大統領とチャーチル英首相は道徳的に正しかったのかというものだ。彼ら2人は常々、戦争犯罪人だと非難されてきた。
【寄稿】原爆投下から80年、正当性を検証
連合軍の広島・長崎への投下決定を数字と倫理の面から再検討する
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