【寝具専門家が教える】「知識で選ぶ人、直感で選ぶ人」。眠りの満足度に出る違いとは?
「病院に行っても治らなかった不眠の悩みが解決した」「普段なかなか寝ない子どもがスヤスヤ眠った」――感謝の声、続々! 睡眠専門医も納得の2万人を救った「快眠メソッド」を初公開。夜、ぐっすり眠れないという不眠の悩みを医者や睡眠導入剤に頼る前にやるべきこと。それは、寝心地を大きく左右する寝具の見直し。加賀百万石の歴史都市・金沢で江戸時代に創業し、289年の歴史を誇るふとん店「眠りにまっすぐ乙丸屋」の12代目店主は、不眠に悩む人やもっとぐっすり眠りたいという人に向けて、快眠のアドバイスを施して評判だ。初の著書『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)では、寝具を味方にして快眠に導き、仕事に家事に最高のパフォーマンスを発揮できる60+プラス1」の方法を、さまざまなエビデンス(科学的根拠)とともに徹底指南! 医者や学者が語ってこなかった素朴にして最も影響の大きい「寝具」の視点から、あなたを快眠に誘う。医学監修:森川恵一(日本睡眠学会総合専門医)
※本稿は、『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【発想がすごい】パジャマで寝てみるだけで自分に合うマットレスが見つかるPhoto: Adobe Stock

マットレス選びは「知識」と「直感」のバランス

体形・体格によるゾーニング、自分にもっとも多い寝方を踏まえる、枕との相性……。マットレス選びには、いくつもポイントがあります。

その点について私が詳しく解説すると、「今日は興味深い話をいろいろ聞けてとてもためになりました。でも、知識が増えれば増えるほど、頭でっかちになって結局何を選べばいいのかわからなくなります」と苦笑されるお客様もいらっしゃいます。

選択肢を絞って「最後は直感で」

そういう方には、私たちが選択肢を2~3アイテムまで絞り込み、「あとは実際に寝てみた瞬間の直感で選んでください」とアドバイスしています。

だからといって、最終的な決断をお客様に押しつけているわけではありません。

客観的なエビデンス(科学的根拠)に基づき、体形・体格や寝姿勢などを勘案して「これこそベストマッチなはずだ!」というマットレスが見つかったとしても、必ずしもお客様がそれを気に入るとは限りません。

科学だけでは決められない「眠りの感覚」

眠るという行為は非常に奥が深いため、科学的に割り切れない感覚的な部分にも重きを置くべきなのです。

私はその感覚的な部分をないがしろにしてはいけないと思い、アドバイスをする際、とても大切にしています。

専門的な視点ではセカンドベストだとしても、マットレスを毎晩使うお客様自身が寝てみて「あっ、これがいい!」と笑顔になったら、そちらが正解であることのほうが多いのです。

就寝シーンをイメージして試す

そうした経験を踏まえて私たちは、「その日1日の仕事や家事を終え、お風呂に入ってさっぱりして、パジャマに着替えてから『よし、寝るぞ!』という場面を頭に思い浮かべてください。

そのイメージで寝てみて、何を感じるかを大切にしてください」と助言しています。

お客様は初めは照れ笑いされますが、気持ちを切り替えてシミュレーションをすると、「自宅で寝ているような気持ちになり、自分に合うかどうかが直感的にわかりやすくなりました」と感謝してくださることが多いです。

パジャマ貸し出しサービスでリアルな寝心地を

こうした流れで2024年10月からスタートさせたのが、パジャマの貸し出しサービス。当たり前ですが、来店されるお客様は外出着姿です。でも、眠るときはパジャマを着るのが普通です。

パジャマに着替えて寝てみると、よりリアルに感じられ、自分に合ったマットレスが選べるようになるのです。

ちなみに、このパジャマ貸し出しサービスは、日々お客様と会話をしてニーズをとらえた若手の店舗スタッフが発案したもので、自分に適した寝具を感覚的に選ぶのに役立つと、とても好評を得ています。

※本稿は『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。