近畿大生の生活と性格

 関西の国立、有力私立の滑り止めで入った学生たちの宝庫だが、鬱屈している人は少ない。人種の坩堝で揉まれ、近大の何となく明るい雰囲気に包まれていると、志望校がどこだったかなどはどうでもよくなる。

 大学による新聞広告や交通広告を使ったPRもうまい。「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や?」(2014年)「早慶近」(2017年)、「上品な大学、ランク外」(2023年)などの尖ったキャッチコピーが話題になり、知名度がアップ。東大阪キャンパスも大きくリニューアルされ、学生たちの自己肯定感は高まっている。

 昔から経済的にもキツキツの学生が多いが、周囲の物価が安いので気にならなくなる。ファッションにお金はかけず、カジュアルな中に何か自分らしさを取り入れるのが近大流。古着をおしゃれに着こなす人もいて、古着好きが集まるサークルも複数存在する。東大阪キャンパスで一人暮らしの学生の場合、家賃は4万~6万円程度。

 自宅通いは「奈良から1時間以上かけて」という人も普通にいる。下宿先はキャンパス周辺~長瀬駅エリアが主流。飲み会は、大学通りの居酒屋でひたすら「飲み」に徹するパターンが多い。

 アルバイトは居酒屋やファミレスなどの飲食店、コンビニなど元気さがウリになる仕事が主流。大学の掲示板には塾講師や家庭教師など教育関連の募集が張り出される。一部の体育会系の部活は有名だが、サークル加入率は意外に低い。「数が多すぎて迷っているうち、入る時期を逃した」(経営学部生)、「1年からのゼミで友人ができ、サークルには行かなくなった。学園祭にもゼミで参加する」(総合社会学部生)。