キッザニア東京は朝9時開園にもかかわらず、早い人は朝6時頃から並んでいます。親だけ並んで整理券をゲットすれば、入園と同時に効率よく体験スケジュールを組むことができるのです。「朝を制するものがTDRを制する」というディズニーオタクには有名な鉄則がありますが、これと同じだと言えます。
そのため、遠方組は近隣ホテルに泊まった方が有利です。キッザニア東京のある豊洲はタワーマンションが建ち並ぶことで有名ですが、ホテルはほとんどありません。最も近いホテルは「三井ガーデンホテル豊洲プレミア」で、「60日以上前の予約でお得にステイ」(1泊2日、食事なし)プランでも、大人2人小学生1人で5万5000円と高額でした(筆者調べ)。このホテルは全室33階以上、銀座エリアまで約10分の高級ホテルなので仕方ないでしょう。豊洲から離れて千葉あるいは埼玉の方に行けば、安いホテルはあります。
「母親の献身」と「父親の経済力」
“お受験戦争”と“親ガチャ”を想起させる!?
この7月から料金改定と優先入場の仕組みがリニューアルされ、課金することで早朝から並ばなくて済むようになりました。
東京は、最も高いホリデーシーズン第1部で子ども7900円、大人3400円。改定前に比べて500円~1000円値上がりしました。そして優先入場券を課金(通常料金プラス500円~2000円)すれば、早く行って並ぶ必要はなくなります。時間をお金で買うシステムはTDRやUSJと同じです。
富裕層向けでしょうか、お高いスペシャルパスも登場しました。子ども1万8900円、大人1万4400円(ハイシーズン)で、キッザニア東京「1番入園」の確約と、専用個室利用と食事が付いたもの。親子で3万3300円もします。庶民からすると、こういう経験をしたら子どもが贅沢に育ってしまうのでは、と心配になるレベルです。
(5)と(6)はもう解説不要でしょう。キッザニアは混んでいてシステムが複雑で、初心者には難しいことは確かです。アクティビティをたくさん体験できるか、当日の満足度は、“親の実力”次第。つまり習熟度、早朝からの貢献度、課金額を指します。まさにTDRと同じ。いい意味で「資本主義の仕組み」を学べる場と言えるでしょう。
ちょっと話が飛躍しますが、昨今のテーマパークの事前準備の必要性や課金システムについて、筆者の知人が、「これってお受験に似ているよね」とつぶやいていました。都市部で加熱する小学校受験や中学受験が、いわゆる「母親の献身」と「父親の経済力」に左右されると言われていることから、想起したようです。
逆に子を起点に考えると、今どきのテーマパークを楽しめるかどうかは、いわゆる「親ガチャ」によると言えるかもしれません。