東京ディズニーとの相違点は?
悪天候の日は、むしろ混む!?

 一方、TDRは親がファンで、親が乗りたい・見たいがために時に子を巻き込んで、必死に行動するケースもあります。しかしキッザニアはあくまで子が主役であり、親はパビリオンの外から静かに見守るケースがほとんどです。

 また、キッザニアは商業施設内のテナントとして入っているので、完全屋内型です。酷暑でも大雨でも楽しめます(悪天候の日は、むしろ混むケースが多いようです)。

 キッザニアは知育を好む“意識高い系”の層から支持され、根強い人気を誇ります。また、東京の開業後、世界各地で新規オープンが相次いでいます。25年8月現在、チリ、エジプト、インド、インドネシア、韓国、クウェート、マレーシア、ポルトガル、カタール、ロシア、シンガポール、トルコ、UAE、米国、ベトナムなどに施設があります。今後はブラジル、ギリシャ、香港、台湾でも開業予定です。

 キッザニアはディズニーに比べて箱が小さく、乗り物型アトラクションがないので、初期投資とランニングコストを低く抑えられます。だから新興国の都市でも開業しやすいのです。ローカル企業が現地の人に合ったコンテンツを提供できるのは大きな特徴です。

 ただし、新興国の一部の施設では上流階級と外国人観光客をターゲットにするしかなく、集客に苦戦するケースも。例えばフィリピンのキッザニア・マニラは2015年に開業しましたが、コロナショックから立ち直ることなく閉園に追い込まれました。

 経営戦略の教科書にも出てくることですが、どんな業界でもトップ企業と直接競合せず、うまく棲み分けながら生き残る中小企業がいます。テーマパーク業界におけるその存在は、キッザニアといえるでしょう。なお、キッザニアには5人と犬1匹のオリジナルキャラクターがいますが、知名度は高くありません。

「キッザニア」が“東京ディズニー化”している!?専門家が指摘する〈6つの類似現象〉の正体Photo:Kiyoshi Ota/gettyimages