「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの小川晶子氏に、「上手に他人を頼る方法」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

「大丈夫」で損する人
実家に帰省したら、父親がだいぶ歳をとり、体も弱っていた。
母は元気なのだが、一番困っていることといえば、父がすぐ「大丈夫」と言うことだという。
病気で大きな手術をして以降、ちょっと歩くのも苦しくなったり疲れたりするようで、見るからに大丈夫そうではない。
しかし、「大丈夫?」と聞くと必ず「大丈夫」と答える。
「苦しいなら病院に行って診てもらったら?」
「大丈夫」
「移動が大変ならタクシーを使ったら?」
「大丈夫」
なんでも「大丈夫」では実際どうなのかまったくわからない。
「苦しいと思ったけどいまは良くなったから大丈夫。もう少し様子を見て、また苦しくなったら病院を検討するよ」
家族としてはこのくらい言ってほしい。
「大丈夫」という言葉は、相手を決して安心させない。これ以上かまわれたくないのかなと拒絶された感じすらある。
もっと家族を頼ってほしい。
いろいろなことを諦めずに、改善しようとしてほしい。
「大丈夫」と言いながら助けを拒絶したり、諦めたりしていたら最悪の気分のまま過ごすことになる。
もし、この先の人生が残り少ないのだとしたら。最悪の気分のまま生きていたいだろうか?
「迷惑をかける自分」を認める
『人生は「気分」が10割』の中に、「なんで『大丈夫』って言ってしまうのだろう?」という項目がある。
負担を掛けたくないし、苦しいのは相手も同じだろうから「大丈夫」と言った。自分のことでさらにつらい思いをさせることも避けたい。だから必死で平気なふりをする
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.202)
迷惑をかけたくない、心配させたくない。負担に思われたくない。どうせ変わらない。弱みを握られたくない。
著者のキム・ダスル氏は理由を丁寧に挙げていく。
上手に周りを「頼る」
理由はいろいろあるが、「大丈夫」が口ぐせのようになっており無自覚に使っていることもあると思う。
もともと口数の少ない父にとっても、「大丈夫」は口ぐせになっているんだろう。
無自覚に使いやすい言葉だからこそ、本書のメッセージにはっとさせられるのだ。
その足あとだってとても意味があることだ。
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.203)
「大丈夫」と言って頑張っている姿は美しいし、その人生をたたえたい。
でも、「大丈夫」はそんなに万能じゃないってことも、肝に銘じておきたいと思う。
もっと周りを信じて助けを求められるほうが、きっと気分が良くなるはずだ。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。