また、そういった大きな話に限らず、「紙の辞書を誰も使っていない」「PCを出してノートを取っている風の学生の大半が内職」「LINEで告白してLINEで別れる」「金欠アピールの割に定価でカップ麺を買う」など、世代間ギャップがてんこ盛りなので、いつか色々と本に書いてやろう、と思っていたらこの本の企画が来ました(笑)。
大人の学び直しは収穫あり
だけど家庭と要相談
よく考えれば当初は、合格してうれしいしやる気もあるとはいえ、朝から夕方にできるはずの仕事を泣く泣く削るという葛藤もあったのに、結果的には、大学で新たな出会いがあったことで仕事も増えました。
ただ、1年生~3年生までは、授業が毎日あっても、2限(当時は10時40分~12時10分)までで終わる日を平日に1日、土曜に1日キープしたので、その日の午後にシニア施設での講義とカルチャースクールでの講義を入れることができました。
また、早稲田文系の場合、必修授業が入るのは4限(当時は14時45分~16時15分)までのことがほとんどなので、16時半以降の夕方からの仕事は入れられます。ぼくはスタジオで連日スタディサプリの収録をしていました。
実際、体力さえあれば、朝と昼に授業を受けて、夜に働いて、夜中か早朝に課題をすれば大学には通えます。キツそうに見えますが、夏休みが2カ月、冬休みが2週間、春休みが2カ月、日曜や学園祭の日(祝日は意外と授業がある)を加えれば、計5カ月は休みですからね。

ただし、自宅が遠方だったり、教職課程を追加で取ったり、そもそも理系だったりすると、なかなかしんどいかもしれません。通学に1時間ちょいかかっていたぼくも、3年生からは徒歩で通える西早稲田にワンルームマンションを借りました。とはいえ、妻もフルタイムで働いており、保育園に預けている小さな娘と息子もいたので、結局ほとんど泊まることはなく、空き時間の休憩所として使っていた程度です。
その頃は、今よりは少し若かったからか、体力よりお金のほうが大事だというのが、夫婦に共通する価値観でした。しかしコロナ禍を経てそれぞれ52歳と45歳になった現在は逆で、体力を温存するため(≒時間を確保するため)、お金の部分をあきらめることが多くなりました。
大学での「学び直し」は、その時々の年齢や家庭環境によって、適する形態が変わってくるのです。これはもう各個人と各家庭でよくよく話し合って自分たちにとってのベターを選択していくしかありません。